まんが日本昔ばなし風 「電車の中での1コマ」
ナレーター悦子)
ここ最近の事じゃった〜
あるお兄さんはシゴトで営業に
あるお姉さんは買い物をするために
またあるものは目的もなく
電車に乗りこんだのじゃった〜
なかはひとひとひと
ひとの大海原
そんな中にひとり、年老いた女がおったのじ
ゃが、
それはそれはつらそうに吊革にもたれて立っ
ているではないか
着ているものはみすぼらしく、貧相な体つき
目はうつろでどこかを患っている様子
じゃが、今は朝の8時。席という席は全て
埋まっておった
寝ているもの、スマホの画面に夢中のもの、
話しているものと、席をよけるどころか女の
様子など気づきやしない
そうしておると、専用席に座っておった心や
さしい妊婦が辛そうに立っている老女に気
づき、連れていた1人の少年ともども、席を
ゆずろうとしているではないか
少年はどこか気まずそうにしていた
妊婦が「よろしければここどうぞ」
と言ったまさにそのとき!
ひとりのオラついた若者が
妊婦と子供が席を立ったのに気づいて、その
席目掛けて飛んでくるではないか
まわりも呆気にとられるほどの勢いで、あっ
という間に女より速く席をとってしまったの
じゃった
これを見た妊婦もなす術なく立ちすくんでし
まった
老女の事を気にかけるものがまた居なくなっ
てしまった
と、同時に
うっ、うわー!
若者が大声を上げたのだ
何が起こったのかと、まわりの者全てが注目
する中
若者が座ったところにはなんと
↓↓↓
こんなものが
そう、妊婦が連れていた少年が残していった
ものだった
慌てふためく若者
もはや先ほどまでのオラついた姿を想像も出
来ないほどのミジメな表情に変わっておった
はいていたズボンには、あたかも自分で漏ら
したかのようにべっとりとウンがついてお
り、抜群の存在感を示しておる
その間に電車から降りて行くものがおり、
席が空き始めて
つらそうに吊革にもたれながら立っておった
老いた女も、無事に席に座る事が出来たのだ
った
妊婦の善意から始まった、老女が座れる迄の
この物語
妊婦のお陰か、少年が残した負の遺産のお陰
か
はたまた、そんな席にいち早く座ってくれた
若者のお陰か
兎にも角にも…
めでたしめでたしWWW